こんな疑問に答えます!
- 留学でリスニングが伸びない7つの理由
- リスニングを伸ばす3つのステップ
僕はオーストラリアのメルボルン大学に進学・卒業しましたが、留学当初の僕のリスニング力は壊滅的で、IELTSのインタビューでも開始3秒で爆死しました。
僕のメルボルン誤爆TOP3
・IELTSのSpeakingでFull nameを聞かれFull→Phoneと勘違いしMine is IPhone!と答えて爆死したこと
・Flatwhiteすら知らずカフェで働き、オーダーが1つも取れず10分でクビになったこと
・夜道でjunkieに絡まれ、警官がなぜか僕を連行しようとしたこと
今となっては擦り傷。
— ちーや🇦🇺メルボルン (@chiyahenyMel) 2019年1月9日
ネイティヴの言っていることが理解できないと自信がなくなりますよね!「もうずっと伸びないかもしれない…」とか考えてしまいますよね!そんな人は、ぜひ見てください!
留学でリスニング力が伸びない7つの理由
留学中にリスニングが伸びない理由は大きくまとめると7つあります。
- 音を知らない
- 英単語を知らない
- 英語の表現を知らない
- 文法力が欠落している
- 早すぎる音の変化についていけない
- 知らないトピックについて話していた
- スピーキング練習の不足
1つずつ掘り下げていきます!
留学でリスニング力が伸びない理由1:「音」を知らないから
全ての言語能力は「音」をベースに発達していく
脳科学的に、どんな言語を習得する上でも「音」ってすごく重要な役割を担っています。ことリスニングにおいては、音を知らなければ英語を聞き取ることはできません。
例えば、世界的なマクドナルドですが、英語では「メクドーナ」のように発音しますし、「He is her friend.」という超基礎的な英文であったとしても、ネイティヴが発音すると感覚的には「ヒズアーフレン(ド)」のように聞こえます。
本来英語学習においてカタカナ表記を使用するのはあまりよろしくないのですが、それくらい違います。
受験で英単語を大量に覚えた経験がきっとあると思いますが、その意味は知っていても自分なりの音で覚えていたりするので、実際にネイティヴの英語を聞いても全く異なるもののように聞こえてしまうのです。
まずは英語の音を正しく聞き取ること。1つ1つの音を正しく聞き取れることができるようになれば理解できる英語も増えていきます。英語の音のベースが脳内に整うとスピーキングやリーディング、そしてライティングも同時に伸びていくので、英語力を底上げを行うことができます!
音の聞き取り練習に関しては以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!
留学でリスニング力が伸びない理由2:英単語を意味を知らない
少しだけ日本語について考えてほしいのですが、「膂力(りょりょく)」という言葉をご存知でしょうか?筋肉などの身体から生まれる力のことを指す言葉ですが、この単語が会話中に出てきたら日本語がネイティヴの僕らでもわかりませんよね。
それと同様に、英語においても、知らない単語が出てくると意味を理解することができなくなります。これはその単語のことを知らなかっただけのことであって、決して英語ができないというわけではありません。
僕もメルボルンに住んで5年になりますが、未だに知らない単語、聞いたことのない単語はたくさんあります。大学でも経済学のことについてはわかっても法学や疫学などの知識は皆無なので、そっち系の単語が出てきたら完全にお手上げです。その場合はもう考えても出てこないので、素直にググるか、友達に聞くようにしています。
単語の意味を知らなければ英語を聞き取ることも、その意味を理解することもできなくなります。
まさに「知っている言葉の範囲は、自分の世界の限界である」ですね!
超効率的な英単語の覚え方に関しては以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!
留学でリスニング力が伸びない理由3:英語の表現を知らない
これに関しても理由は英単語を知らない場合と同じです。知らんもんは、いくら頭を捻っても出てこんのです。英語は言語なので、同じような内容でもいろんな表現があります。例えば、「結局〜」一つとっても、「After all」や「In other words」、「In time」など、その時々の文脈や状況に合わせて表現が使い分けられますし、「After allは知ってるけど、In timeは知らなかった…」ってことはよくあります。
日本語でも「つまり」と「結局のところ」は同じ意味を持つ表現ですが、言い方が異なりますよね!
オーストラリアは特有のスラングが多く、Vegetarianを表すVego(ベジョ)、ガソリンスタンド(Petrol Station)を表すServoなど、知らなければ絶対に理解できないものがたくさんあります。
スラングを学べ!と言っているわけではありませんが、TOEFLやIELTSなどの一般的には「標準」と呼ばれるものだけでは対応できないことが多々あるので、スラングを学ぶこともまた時には必要なのだろうと思います。それぞれの地域で何がどのように表現されるのかは異なるので、スラングそのものは留学先で学んでも遅くはないのかな、と思います!
カフェにて
🙋♂️: Hey mate, ha’s it goen?
僕: Goood, u?
🙋♂️: No bad, Ha can I elp u?
僕: Can I pls get di flat white?
🙋♂️: Easy, take away?
僕: Yap
🙋♂️: Sure, Hav a seat n will call ur name when it’s ready.
僕: Thanks!学校で習う英語とは全然違う。本当の英語力って、きっと標準の先。
— ちーや🇦🇺メルボルン (@chiyahenyMel) 2019年3月17日
留学でリスニング力が伸びない理由4:英語の文法力が欠落している
「〜英文法とリスニングの関係性〜」でも詳しく書いていますが、文法力はリスニング力に大きく影響します。リスニングは絶えず英語が耳に流れ込んでくる状態なので、リーディングのように英文を時間はかけて分解することができません。リスニングしながら英文を分解し続けるのには限界があるのです。
リスニング力を上げるためには、英語を聞いたら聞いた通りのまま理解する必要があり、言い換えれば、英文を前から区切って理解する必要があるのです。
受験においては和訳を求められることが多いので後ろから訳す癖がついている人も少なくないのですが(僕がそうだった…)、リスニングで後ろから理解しようとすると、一旦全ての英文を聞いてしまわないと理解できないということになるので、それでは次の英文が流れてきた時に対処できなくなってしまいます。
また、文法力があると次にどんな内容が来るのかある程度予測することができるのでリスニング力が上がります。
例えば、Whatの後に主語であるIやYou、Itなどがきた場合、「なるほど、この後にBe動詞が来るな!」と予測することができます。
何が来るのかわかっていればそこに意識を置かなくてもよくなるので、相手が話している内容に集中することができます。
つまり、文法力が伸びると、リスニング力も同時に伸びるのです!
リスニング力を伸ばすのに、複雑で難しい文法が必要なわけではありません。中学生レベルの文法力があれば、大半のリスニングには対処できるようになります。
留学でリスニング力が伸びない理由5:早すぎる音の変化についていけない
ゆっくりの英語であれば聞き取れるのに、スピードが速くなった途端にわからなくなってしまうのはなぜでしょうか?
僕は野球を13年間やっていましたが、遅いボールは簡単に打てても、スピードの速いボールは中々打てませんでした。
早ければ早いほど、脳は処理スピードを上げなければならないので、その処理スピードが追いつかず、対処できなくなってしまうからです。
英語のリスニングも同様に、音の変化が早すぎるとその速度に脳の処理スピードが追いつかないので、音を聞き取ることができなくなってしまうのです。
また、この場合、音と音の繋がりである「リエゾン」や「リンキング」と呼ばれる「音」を理解していない可能性もあります。英語が早ければ早いほど、単語や語句がくっついて別の音に変化するので、その変化を理解していなければ英語を聞き取ることができないのです。
例えば、メルボルンの駅で電車を待っていると、こんなアナウンスが流れます。
The next service depart from platform 5 will be~
(5番ホームに参ります電車は〜)
僕は留学当初、Serviceの「Ce」とDepartの「De」が重なり、感覚的には「セパート」のように聞こえていました。これも僕が音の繋がりに慣れていなかったこと、ひいては早すぎる音の変化についていけなかったことが原因です。
留学でリスニング力が伸びない理由6:知らないトピックについて話していた
これは結構見落としがちな部分なのですが、リスニングを伸ばそうと考えた時、基本的には単語や表現、そして文法力が必要だよね!と考えると思うのですが、前述のように、知らないことはわからないし、会話の内容も理解することはできません。
僕は経済学専攻なので関連するビジネス系のことやマーケティングのことなど、言われれば理解することができますが、法学のこととなるとあまりに知識不足のため、日本語であっても話の内容が頭に入ってきません。
同様に、知らないテレビ番組の話をされたりすると、会話の内容がわからなかったりするのです。
以前アメリカ人とドイツ人の友人3人で話をしていた時に「Game of Throne」の話題になりました。知らない人には「何のゲーム?」って感覚だと思いますが、これ、アメリカの超絶人気ドラマです。
大学に進学してからは日常の中で英語がワカラナイということはあまりなかったのですが、こと「Game of Throne」に関しては、ほとんど理解することができませんでした。「僕の英語力の問題なのかな?」って思っていたのですが、「スパイダーマン」の話になった途端、会話の内容が急にわかるようになりました
英語力が高い人であっても「英語がワカラナイ」ということは多々あって、それは英語力そのものというより、英語力以外の要素が英語力に影響していることが原因になっています。
この世の全てを知り尽くすことなんて不可能ですが、知っていることが増えると聞き取れることが増えるのは間違いないので、自分がこれから学ぼうとしていることや興味関心のある情報は積極的に取り入れるようにしてください!
留学でリスニング力が伸びない理由7:スピーキングの練習不足
脳科学的に、リスニングとスピーキングには表裏一体の関係性があり、「自分の口で話すことができれば、実際に聞くこともできる」と言われています。「知らないトピックは内容が頭に入りづらい」というのは前述の通りですが、発音することができれば少なくとも音の聞き取りはできるようになります。
「リスニングを伸ばす時は英語を聞きまくる!」という多聴が近年のリスニング学習の主流になっているし、決して間違いではないのですが、リスニングを伸ばすのであれば、まずはスピーキングの練習を徹底的にやるべきだと思っています。
特に、シャドウイングはネイティヴのスピーキングを真似しながら発音していくので、発音の強制になるし、実際に発音することでリスニング自体も伸びていくので、すごくオススメです!
留学でリスニング力を伸ばす3つのステップ
ここでは留学で英語を聞き取れるようになるための3つのステップをご紹介します!
留学でリスニング力を伸ばすステップ1:聞き取れない部分の確認
まずはサクッと一通り英語を聞いてみてください。英語を聞く時はその音声の英文(スクリプト)を手元に置き、聞き取れない部分にチェックを入れていってください。
おそらく大半の場合、聞き取れない部分はリンキングやリエゾン、そしてリダクションの部分なので、そこに注意してリスニングすると上手な聞き取りができるようになります!
最初は慣れていないとチェックばかりで凹むかもしれませんが、少しずつ聞き取れる部分が増えていくので焦らず地道に取り組みましょう!
英文の中でワカラナイ部分が多すぎる時は使っているリスニング教材が合っていない可能性もあるので、その際は少し簡単なものに変えてリスニングするようにしてください!
留学でリスニング力を伸ばすステップ2:聞き取れない部分の分析
英文を1通り聞いて聞き取れない部分にチェックが入ったらなぜ聞き取れなかったのかを分析してみてください!チェック項目は以下6つです。
- 英単語
- 英文法
- 英語表現
- リエゾン・リンキング
- リダクション
- 英語のスピード
この項目のどれが原因で聞き取れていないのかを確認できたらそれに応じて対処法を変えます。英単語や英文法、英語表現が理解できていない場合は意味を確認する、音の変化やリダクション、英語のスピードに問題がある場合は次のステップで強化していきます!
留学でリスニング力を伸ばすステップ3:聞き取れない部分だけを重点的にシャドーイング
聞き取れない原因がわかったらシャドーイングで徹底的にアウトプットしていきます!
英語をリスニングしながら音声通りに真似する練習方法のこと。
シャドーイングを行うと以下7つの学習効果があります。
- リスニング力が圧倒的に伸びる
- スピーキング力が上達する
- リーディングスピードが飛躍する
- ライティング力が爆発的に伸びる
- 発音が綺麗になり、英語が伝わる
- イントネーションやアクセントが身につく
- 使える英語表現が爆増する
シャドーイングを行うことで英語脳の土台を作れることはもちろんのこと、英語の全技能(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)を一気に伸ばすことができます!
ここで大切なのは、聞き取れない部分だけを重点的にシャドーイングしていくこと。
英文全てをシャドーイングするのも良いのですが、すでに聞き取れる部分は何度聞いても聞き取れるので、あえてシャドーイングする必要はないんですよね。聞き取れない音はほぼ毎回同じなので、そこのみを重点的に鍛えていった方が英語の聞き取りレベルはより早く上達していくのでオススメです!
シャドーイングの具体的なやり方下の記事にまとめてあるから、合わせて参考にしてみてね!
留学中にリスニング力は伸ばすことができる!
最初はネイティヴの英語が一言もわからなくてすごく苦労しましたが、上記7つの原因を1つ1つ解決していくことで、少しずつ英語が聞き取れるようになりました。最終的にはメルボルン大学に進学・卒業。手の届かないと思っていた場所であっても、基礎的なことを積み重ねることで着々と歩みを進めることができるんだな、と思いました。
悔しいこともたくさんあると思いますが、1歩1歩、少しずつ前に進んでくださいね!