僕ら日本人は中学校から高校3年生まで少なくとも6年間英語を学びますが、未だに実践的な英語を使える人はいません。読めるけど書けない、聞けるけど話せない人は少なくないと思います。
この記事では
- 英語学習におけるアウトプットの必要性
- そもそも実践的な英語力とは何か?
- 分野別の英語アウトプット法
について1つ1つお伝えしていきます。
僕はオーストラリアのメルボルン大学に進学・卒業しました。最初から英語が得意だったわけではなく、これからお伝えするアウトプット法を通して、少しずつ実践力をつけていきました。
英語を話せるようになることを目標に留学する人は多いけど、僕の経験的に英語力を獲得した先に目的がある人の方が圧倒的に爆伸びする。
100mランナーが120mをゴールに練習するように、英語力の獲得を『スタートライン』とするのか『ゴール』にするのかによって到達速度は明らかに違うのだと思う。— ちーや🇦🇺メルボルン (@chiyahenyMel) 2018年12月15日
留学しているのに全然英語力が伸びないとすごく不安になりますよね!「ずっとこのままかもしれない…」と考えてしまいますよね!この記事では英語をずっと勉強しているのに全く伸びない原因と、実際に僕が行っていた勉強法をお伝えしていきます!
英語学習ではアウトプットが絶対に必要な理由
僕ら日本人は6年間という長い時間をかけて英語を学習しますが、その長期間の努力も虚しく大半の人が英語を使うことができません。海外に出ると痛感することなのですが、海外の人が6年間英語を勉強したら基本的に英語が使えるようになります。日本語と韓国語が似ているからと言って韓国語を簡単に習得することができるわけではないように、英語がラテン語に由来するからと言って海外の人が英語を簡単に習得できるわけではありません。
ではなぜ、海外の人は英語を同じ期間で使えるようになるのか。
それは、「英語を使う」ことに重点を置いて勉強しているからです。
日本では「英語=受験を突破するためのツール」として認識している人が多いため、英語を勉強をする時は英文読解など「インプット」をメインに勉強を行います。
しかし、いくらインプット量が多くても実際に使うことができるわけではありません。
実際に使う(アウトプットする)ことのできる情報量(知識)は、インプットした量よりもはるかに少ないものです。ウサインボルトから100メートルを爆速できる方法をこっそりと教えてもらったとしても、すぐに超高速走を実現できるわけではありませんよね。実際に走ることを通して少しずつタイムを縮めていくはずです。
つまり、頭の中にいくら情報を蓄積していても、実際に使う(アウトプット)ことをしなければ使えるようにはならないのです。
昔の僕は勉強量だけは人一倍でしたが、読んだり、聞き流したりなどのインプットをメインに学習していたので、実践的に使える英語力は一切身に付きませんでした。留学しているからと言って、英語を実際に使うことをしなければ、どれだけ英語環境に身を置いても使えるようにはならないのです。
実践的な英語力とは何か?
僕の言う実践的な英語力とは、以下2つのことができることです。
- コミュニケーションを英語で取ることができる
- 自分の伝えたいことを瞬時に英語で表現できる
英語は言語です。言葉である以上、人とのコミュニケーションを取ることのできない英語力は実践的とは言えません。英語の楽しみは受験の中にあるのではなく、人との会話やコミュニケーションの中にあります。受験やTOEICなどのペーパー試験の中にあるわけではないのです。
また、コミュニケーションを取れたとしても、それは必ずしも実践的な英語力とは言えません。例えば以下の例文を見てください。
日本語にするとこんな感じです。
全く意味がわかりませんよね!わかる人にはわかるのかもしれませんが、日本語としてすごく違和感を感じますよね!それでは、以下の例文はどうでしょうか?
This is the apple that my friend gave me yesterday.
(これが昨日友人が僕にくれたりんごです)
すごくスッキリですよね!このように、自分の伝えたい想いや考えを適切な英語で瞬時に表現できなければコミュニケーションは成立しません。不適切な英語を使用したり、いちいちGoogle翻訳を使って時間をかけてコミュニケーションを取ることは聞き手側に理解を強いることになるので、決して実践的とは言えないのです。
この記事では、この2つができるようになることを念頭に解説を進めていきます!
分野別英語アウトプット法
英語を実際に使えるようになるためには実際にアウトプットする必要があるのですが、英語の何を勉強するのかによってアウトプットの方法が若干異なります。ここでは僕が実際に行っていた分野別のアウトプット方をご紹介します!
英単語編
英語を苦手とする人は、概して単語力が圧倒的に不足しています。そして単語力がない人は、多くの場合、英単語の暗記法を勘違いしています。
英単語を覚える上で大切なのは、思い出すこと、です。
「思い出す」という作業は脳に最も負荷がかかり、且つ時間をかけることなくできる最高効率のアウトプット法です。物事を思い出す時、脳内では脳神経が鍛えられて太くなりますが、この脳神経が太ければ太いほど、単語を思い出しやすくなるのです。
言ってしまえば、脳内の筋トレをするようなものです。
日本の英語教育においては書いて覚えることを学校で強要されることが多いので、「何かを覚える=書く」と認識している人が多いのですが、重要なのは、どれだけの回数その単語を意識的に想起するか、です。
短い英文であれば良いのかもしれませんが、「This is the apple that my friend gave me yesterday.」のように英文が長くなればなるほど、書くだけで時間がかかるし、すごく疲れます。疲れてくると「書く」ことそれ自体に意識が置かれてしまうので、暗記の学習効率はガクッと落ちてしまいます。
昨日の夜ご飯は何食べた?
という質問に5秒あれば記憶を遡ることができるように、英単語を「思い出す」ことに時間はかからないし、アウトプットする場所も選びません。
また、英単語は1つ1つ暗記していてもキリがありません。海外大を目指しているのであれば語学留学できる期間は限られているでしょうし、受験できるTOEFLやIELTSの回数はには制限があるはずです。木の葉っぱを1つ1つ取るのではなく、枝ごと取りながら雪だるま式に単語数を増加させていく必要があるのです。
僕が1ヶ月で単語帳2冊分を暗記した方法は以下の記事を参照してください。
英文法編
単語と同じく、英文法も英語を構成する土台です。このどちらかが欠落しても実践的な英語力を身に付けることはできません。
しかし、英文法は小難しい話が多く、トピックによっては似たものや複雑なものもたくさんあるので苦手意識を持っている人が多いのですが、英文法ができるようになると英語力全分野の底上げをすることができます。
英文法のアウトプットにオススメなのは、1人レクチャー、です。
自分が自分の先生となって、その英文の意味するところを自分に向けて解説していく勉強法
この学習法は単語編でご紹介した「思い出す」が根本にあります。「先生が一番勉強になる」というように、実際に自分で自分に解説することで、脳内にインプットされた情報を整理しながらアウトプットすることになります。
英文法学習における1人レクチャーでは、以下2つのことを念頭に置きながら進めていきます。
- その英文法の意味を自分の言葉で説明する
- その英文法を使った英文を作成する
いきなり自分で解説することは難しいので、まずはその英文法の要点をまとめることから始めてください。暗記しようとするのではなく、文法の意味を丁寧に理解するように心がけてください。僕は覚えることがあまり得意ではなかったので、参考書に箇条書きでまとめた後、その要点同士を繋げて解説のガイドラインを作りました。
例文1「You are Chihaya.」
例文2「He is fantastic!」
・ポイント1: 補語(C)は主語(S)を説明するもの
→ChihayaはYouが誰なのかを説明、Fantasticは彼がどんな人物なのかを説明
・ポイント2: 補語(C)「名詞」か「形容詞」しか取らない
→Chihaya = 名詞、Fantastic = 形容詞
・ポイント3: 補語(C)は主語(S)と一致する
→You = Chihaya, He = Fantastic
英文法のまとめノートを作ろうとする人がいますが、参考書とノートを往復する学習法は思考の流れを止めてしまうため、必ず参考書に直接書くようにしてください!
英文法学習における注意点や1人レクチャーする際のポイント、オススメの参考書など、僕が3ヶ月で英文法をマスターした方法に関してはは以下の記事に詳細を記載しています!
リスニング編
リスニング力を爆伸びさせるためには、まず自分がなぜ今英語を聞くことができないのかを知る必要があります。リスニングすることができない理由は主に7つあり、このどれが原因でワカラナイのかを理解する必要があるのです。
- 音を知らない
- 単語の意味を知らない
- 表現を知らない
- 英文の繋がりが理解できていない
- 英文を読む体力がない
- 早すぎる音の変化についていけない
- 知らない概念について話していた
上記の理由のうち、1、5、6に当てはまる場合は、「シャドウイング」でアウトプットを行ってください。シャドウイングを行うと、脳が英語の音を認識し早い音の変化にも対応できるようになります。
また、僕らが英語を聞く時「英語→日本語→英語」のプロセスを辿り、日本語を補助として英語を理解しようとしますが、リスニングにおいては絶えず英文が頭の中に流れ込んでくるので、日本語のプロセスを毎回踏んでいては脳の処理速度が追いつきません。
シャドウイングを行うと日本語で理解する壁が薄くなり、次第に英語を英語で理解するという「英語→英語」のプロセスだけで英語がわかるようになります。結果として、脳内で処理できる英語のキャパが大きくなるので、リスニングがドンドン聞けるようになるのです。
シャドウイングの効果と方法に関しては、以下の記事を参照してください!
リスニングがわからない原因が2、3、4の場合、単語力や文法力、そして構文力など、英語の根本部分が圧倒的に欠落している可能性があるので、そこから勉強を始める必要があります。
ワカラナイ原因が7の場合、話者の話している内容や背景知識がないために理解できていない可能性があるので、ご自身の専門分野を勉強したり、本を読んで教養を付けるなど、インプットをメインに学習を進めてください!
スピーキング&ライティング編
スピーキングは英単語、英文法、そしてリスニングの学習における総合力だと個人的には思っています。僕の経験上、スピーキング力はそれぞれの分野でこなしてきたアウトプットの量に比例するからです。
単語力や文法力がそれぞれのアウトプットによって「使える」ものになっていればある程度の表現力は身に付いているはずですし、シャドウイングを徹底的に行ってリスニングを飛躍させていれば、脳がその音を再現できるようになるので、結果として発音は良くなるし、英語を英語で考えながら話すことができるようになります。
スピーキングは英語の総合力といっても過言ではないのです。
また、話せることは書くこともできるので、ライティングはスピーキングの副産物です。スピーキング力が向上すると必然的にライティング力も大きく飛躍します。ライティングに自信のない方は単語力や文法力、そしてシャドウイングのアウトプットを徹底的に行ってみてください!
長文読解編
長文読解においても英語の根本である英単語や英文法が欠落していては理解することはできません。
上図のように、英語の長文読解力を上げるためにはどちらもかけてはいけないのです。単語力と文法力に関してはそれぞれのアウトプット法で基礎を固めて頂きたいのですが、長文読解にはもう1つの要素が必要になります。
それは、英文を読む体力、です。
100メートルをどれだけ早く走れても3000メートルまで体力がもたなければ意味はないように、英語においても単語力や文法力を確立していても制限時間以内に読むことができなければ意味がありません。リスニングのところでお伝えしたように、英文が絶えず流れてくるリーディングにおいても、英語を英語で理解し、脳の処理速度を上げていく必要があるのです。
そこでオススメなのが、音読です。
効果はシャドウイングとほぼ同じで、簡潔に述べると、「英語→日本語→英語」の脳内プロセスを「英語→英語」に作り変えることができます。シャドウイングの場合は真似する音声がありましたが、英語の長文読解においては音声がないことが多いので、音読を通して英文を読む体力を育んでいってください!
英語力は飛躍させることができる!
僕は最終的には「オーストラリアの東京大学」と言われるメルボルン大学に進学・卒業しましたが、最初から英語が得意だったわけではありません。英単語は覚えられないし、英文法も難しくて整理できず、Be動詞すら理解できない状態から勉強を始めました。
英語力が伸びないとすごく不安でたまらない時もあると思いますが、どれだけ偉大な人でも小さな一歩を積み重ねるように、少しずつで良いので、英語力の階段を一歩一歩登ってください!
少し先の未来であなたの英語力が飛躍し、留学の夢が実現することを切に祈っています!
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