こんな疑問に答えます。
- 英語力における英文法の役割
- 英文法を覚えることの定義
- 3ヶ月で英文法をマスターする勉強法
僕はオーストラリアのメルボルン大学に進学・卒業しましたが、英語の勉強を始めた当初はBe動詞が何かもわからず、すごく苦労しました。
勉強からとことん逃げ、毎日素振りすることだけが正義だった10年前。
その後真反対の人生を歩むことになりました。
ほんと何があるかわからないね😂#10YearChallenge pic.twitter.com/dk0aKnED7j— ちーや🇦🇺メルボルン (@chiyahenyMel) 2019年1月19日
英語力がゼロだった僕だからこそ、お伝えできることがあるのではないかと思います。英語の長文というのは、単語が文法的なルールに従って構成されたものです。単語と同様、文法的な繋がりが見えなければ英文の読解力を上げることはできませんし、いくら単語を暗記しても実際に使えるようにはなりません。ここでは、僕が3ヶ月で文法を完璧に覚えた勉強法をお伝えしていきます!
英語における文法の重要性
英語の長文というのは、単語が文法的なルールに従って構成されたものです。単語と同様、文法的な繋がりが見えなければ英文の読解力を上げることはできませんし、いくら単語を暗記しても実際に使えるようにはなりません。
少しだけ下の図を見てください。
この図は、僕の考える「英語力」の範囲と構成をイメージ化したものです。英語力そのものを「自分の考えや想い、気持ちを表現できる”幅”」だと考えた時に、その範囲は単語力と文法力に大きく依存します。知っている単語やフレーズが少ないと伝えられることは限られますし、文法力が欠落していると正確に伝えることができなくなるので、その範囲は限定的になります。英語力(図の中の青い範囲)が小さくなるということは、ライティングやリーディング、スピーキングやリスニングなど、それぞれの力も狭めてしまうことになります。
ここでは、僕が3ヶ月で文法を完璧に覚えた勉強法をお伝えしていきます!
英文法を覚えるってどういうこと?
僕の考える「英文法を覚える」というのは、以下2つのことができるようになることです。
・その文法が意味することを人に言葉で説明できる
・その文法を使って英語を使用(書く・話す)できる
この2つができるようになると、第2言語として境界を隔てていた英文法は、日本語を使う時と同じような感覚で身につけることができるようになります!
英文法を勉強する時のポイント
英文法を覚える上記2点を満たすために、以下3つのポイントが重要になります。
・1つの参考書を徹底的に回す
・英文法を言葉で説明できるようにする
・実際にその英文法を使用して英作する
1つの参考書を徹底的に回す
多くの受験生が陥りやすい1つの罠が、いろんな参考書に手を出すこと。結局どの参考書を使用しても、切り口が異なるだけで書いてある内容は同じなので、1つの参考書を使用するのと得られるものは変わりません。
デメリットがあるすれば、参考書を複数使用している分、本の流れから逸脱した状態で学習を進めることになるため、繋がりや一貫性が保ちにくくなり学習効率が落ちてしまうということ。複数使用するとしても、2冊まで。1冊目がメインで、2冊目は補助など、軸を必ず1つ定めるようにしてください!
英文法を言葉で説明する
「言葉で説明する」ということは、「頭の中で整理し、理解できている」ということです。頭の中でゴチャゴチャになっていることを言葉にすると支離滅裂で一貫性を保つことができませんが、綺麗にまとまっていれば人に説明することも可能になります。
重要なのは、他の人が聞いても理解できるかどうか。
基本的に勉強は1人で行うものなので自分の「英文法1人レクチャー」が一貫しているかどうかを友人に確認してもらうことはできませんが、「相手に伝わるかな?」「どうすればもっと簡潔にわかりやすく説明できるかな?」ということを考えながら説明してみてください。僕は従兄弟の小さな息子に教えるつもりで、細かいところまで噛み砕くようにしていました。それくらい丁寧に分解すれば相手には必ず伝わりますし、自分の中でも理解がかなり進むのでオススメです!
実際にその英文法を使用する
試験では制限時間内に問題を解かなくてはなりません。その英文法について考える時間は極力少なくする必要があります。問題を見てすぐに解答するためには、日本語を使う時のように、「無意識で使える」ようになっていなければなりません。
ウサインボルトから走り方を習っても、実際に早く走れるようになるためには、実際に走らなければなりません。
同様に、英文法を自分の中で噛み砕いても、それを実際に英語として使えるようになるためには、実際に使う必要があります。実際に使うためにはその英文法を理解している必要があるので、単にその英文法を覚えるという目的だけでなく、自分の理解度を確認する作業としても非常に有効です!
僕が3ヶ月で英文法を伸ばした勉強法
僕は「1人レクチャー」という勉強法で文法力を伸ばしました。実際に自分が自分の先生となってその文法について解説し、その文法を実際に用いた英文を作ってレクチャーする、というものです。「先生が一番勉強になる」というように、1人レクチャーを行うことで、英文法を覚える2つのポイントを簡単に満たすことができます。
- その文法の意味を言葉で説明する
- それに付随する例文を作成し、超具体的に解説する
勉強している文法のトピックをいきなり「覚える」ことは難しいはずなので、その文法が意味するところを「理解する」ことに重点をおいてください!僕の場合は、その文法の要点を簡単に箇条書きでまとめ、そのポイントについて説明できるようにしていました。その後、箇条書きにしたポイント同士の繋がりを見つけてまとめていきました。
例文1「You are Chihaya.」
例文2「He is fantastic!」
・ポイント1: 補語(C)は主語(S)を説明するもの
→ChihayaはYouが誰なのかを説明、Fantasticは彼がどんな人物なのかを説明
・ポイント2: 補語(C)「名詞」か「形容詞」しか取らない
→Chihaya = 名詞、Fantastic = 形容詞
・ポイント3: 補語(C)は主語(S)と一致する
→You = Chihaya, He = Fantastic
箇条書きにするポイントは、参考書に直接書き込むか、ポストイットなどを使用して参考書に貼り付けてください。
ノートに別々にしていると再度書き写す必要がありますし、ノートと参考書をリンクさせて勉強しなければならないので色々と不便です。忘れた時にすぐにそのポイントに戻り、その場で「1人レクチャー」ができるよう、参考書をできる限り使用してください!英文法の参考書へのまとめ方に関しては以下の記事を参照してください!
基本的に箇条書きにしたポイント同士は論理的な繋がりを持っているので、説明する時に言葉に詰まる際は「〇〇だから、△△」というように、ポイント同士の論理的な繋がりを探してみてください。(上記の例文であれば、補語(C)は主語(S)を説明するものでないといけないので、主語(S)と一致しなければならない、など)
文法の理解できたら、「1人レクチャー」の最後に、実際にその文法を使用した英文を作り、言葉にしてみてください。例文を作る時のコツは、参考書に載っている文法を日常生活で使えそうな表現に変換すること。現実味があるので頭の中に残りやすくなりますし、実際に使える表現として自分の英語力そのものになります。その日に覚えた単語をできる限り使用するようにすると、単語力と文法力同時に伸ばすことができるので、オススメです!
She is the one that I told you before.
→This is the café that I told you before.
僕は最初から頭の中で英文を作ることができなかったので、小さなホワイトボードを使用して書きながら説明していました。
ノート型のホワイトボードなのですぐに消せるし手の疲労感もそこまでないので、アウトプットとしてかなり高い学習効果があります!また、ノートとほぼ同じ大きさでどこにでも持ち歩けるので、僕は近くの公園や川沿いの芝生で「1人レクチャー」していました。ノートなどの紙だと風で飛んでいく可能性がありますが、ヌーボードであればその心配もなく、自由に勉強することができました!
英文法おすすめ参考書
僕は英文法に関しては以下2冊の参考書しか使用していません。
「英文読解入門 基本はここだ!」に関しては、その名の通り、英文法の超ド基礎が詰め込まれています。基本的にはこの参考書を使って、基礎の基礎を徹底的に勉強していきます。僕の経験上、受験で出題される英文法の60%はこの参考書でカバーできます。上記で紹介した「1人レクチャー」で、脳の閾値に達するまでトコトンやり込んでください!
問題は、残りの40%。関関同立やMARCH、京阪神を狙う人は、これだけでは対応できないことがあります。そこで使用するのが、「一億人の英文法」。
「英文読解入門 基本はここだ!」でカバーできていない部分だけを、この参考書で勉強してください。この参考書は「実際に話せるようになること」を目的に書かれている傾向にあり、比較的実践に近い力を養成できるような構成となっています。英文法を感覚的に訴える部分が多めなので、基礎ができていない人が使用するとワカラナイ部分が増えてくると思います。
使い方としては、「英文読解入門 基本はここだ!」で学んだ内容を1人レクチャーする際、英作文が思いつかない時にこちらを参考にすると、違う切り口から理解を得やすくなります。
ただし、この参考書はあくまで「補助」。
60%ほどは「英文読解入門 基本はここだ!」から出題されるので、「1人レクチャー」もこれを軸に行ってください!
文法力が英語力は底上げする!
全体的な英語力が付いてくると英語が実際に聞けるようになったり、話せるようになったりするので基礎・基本を忘れてしまいガチですが、上述のように、文法力が欠落していると英語力の上達は途中で止まってしまいます。もっと上手にコミュニケーションを取りたくて、どうしても単語やフレーズ、英語の聞き取りや発音などに力を入れたくなるからです。
しかし、英語力の幅は、文法力に大きく依存します。
もし今英語力に伸び悩んでいたり、勉強しているのに全然成果を実感できないな、と感じているのであれば、文法力の欠落が英語力上達のネックになっている可能性があります。僕もメルボルン大学に入学する前は英語力が途中から伸びなくなってすごく悩みましたが、文法に注力することで、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング全てのセクションで英語力を底上げすることができました。英語の上達に特別なことなど必要なく、基礎を徹底するだけでそのポテンシャルを格段に上げることができます。英文法は小難しい話も多く頭を抱えることも少なくありませんが、ぜひ今一度、足元を見直してみてください!
文法力があなたの英語力を底上げすることを、心から祈っています。