留学を経験する人なら誰しも一度は不安を感じることでしょう。僕も初めてオーストラリアのメルボルンへ留学する時は、不安が止まりませんでした。すごく怖いですよね!僕の場合、日本の大学を卒業し、新卒を捨てての留学だったので退路はありませんでした。
メンタル強そうですねって言われるんだけど、誰も自分を知らない海外に出て逃げないよう退路を絶っても日本に帰りたくなる時はたくさんあって、笑われれば凹むし、家族にも会いたくなるし、答えのない問いを無駄に考え込む時もクソほどあります。
そんなメンタルチキンでも海外で4年生きてこれました。— ちーや🇦🇺メルボルン (@chiyahenyMel) 2019年1月17日
この記事では
- 留学でなぜ不安になるのか?
- 留学で不安になる3つの根本原因
- 留学の不安を解消する7つのこと
について1つ1つ解説してきます。
留学目前の人であればわかると思うのですが、これから先のことを考えると本当に怖いですよね!「時間が経てば慣れるよ」なんて友人のアドバイスも全く参考になりませんよね!そんな人は、ぜひ見てください!
留学は誰でも不安になる
初めての留学はすごく楽しみな反面、恐怖に近い不安も気持ちの大半を占めていると思います。言葉がうまく通じない環境でのたれ死ぬんじゃないかとか、現地で友人を作れないんじゃないかとか、テロに巻き込まれるんじゃないかなど、漠然とした不安が絶えず頭の中に浮かんできますよね。
僕の場合、当時お付き合いしていた歳上の彼女と空港でお別れをしてからの渡豪だったので、心細さとこれから待ち受けているであろう不安に気持ちの収拾をつけることができませんでした。少し歳の離れていた彼女は結婚を真剣に考えていましたが、彼女の気持ちとは裏腹に、僕は夢を追って渡豪することに。
という彼女の言葉が頭から離れず、飛行機の中では一睡もできませんでした。泣いていても日本語で優しい言葉をかけてくれる人はいないし、助けてくれる人もいません。現地での生活が辛いものになったとしても日本に逃げ帰る選択肢がないことを考えると、不安はさらに大きいものとなりました。
このままではいけない!と思い、気持ちを落ち着かせるためにバッグの中にあるチョコを取り出そうとした時、母からもらったメッセージボードが目に入りました。
今日の自分を思い切り自由に楽しんで。
壁を乗り越えていく「僕」を想像して書かれた詩に、母の僕への想いが乗っているような気がして、涙はますます止まらなくなりました。
この留学が僕だけのものではないこと、笑顔で送り出し、応援してくれている人がいることを忘れてはいけないと、メッセージボードを強く握りしめながら心に刻みました。
留学が不安になる3つの根本原因
留学が不安になる原因はまとめると3つのしかありません。これからご紹介する3つの原因に対してしっかりと対処していくことで、今抱いている不安は少しずつ解消していきます。当てはまるものがあるかどうか、自分の心に問いかけながら読んでみてください!
圧倒的英語力の欠落
留学で不安になる一番の理由は、英語力不足による不安です。
学校の授業についていけないんじゃないかとか、拙い英語で苦笑されるんじゃないか、友達の会話に自分だけ入れないんじゃないか、ホストファミリーと仲良くなれないんじゃないか、など、自分の考えや想いを上手に伝えられないもどかしさは、そのまま不安に変わりやすいものです。
英語力の欠落は自信喪失に直結しますし、それは自分の行動範囲を狭めることにも繋がります。英語力がなければコミュニケーションを取ることができないので、友達も出来にくいと思ってしまうし、大学進学を目指している場合は授業についていけないので最悪の場合「退学」させられるのではないかと考えてしまいます。
自信の無さは、不安の大きさでもあるのです。
友人関係
留学で最も精神的に辛いのは、英語力がなくて自分の気持ちを伝えられないことでも、拙い英語で苦笑されることでも、現地で仕事が見つからないことでもなく、友達ができず1人孤独になることです。
友達ができれば生活の中で起きる悩みやこれからの不安などを共有し、分かち合うことができますが、一人の場合、全て自分で背負わなければなりません。友達がいれば笑い話で済むことも、一人では自分を追い込むものになります。
そして、孤独の境地に達すると、自分が留学に来た目的を忘れてしまうことも少なくありません。
ここが薄れてしまうと「日本に帰りた…」と考えるようになるし、支えてくれる家族や自分の話に真摯に耳を傾けてくれる友人の温かさが恋しくなります。うさぎは孤独になると死んでしまうとはよく言いますが、それは人間も同じなのです。
現地の安全性
また、近年は情勢の変化から世界各地でテロが多発しています。僕の住んでいるメルボルンでもここ2年で大きな事件が2つありました。ビルに突っ込んだ車は炎上し、降りて来たテロリストと警察官が目の前で交戦しているのを目の当たりにした時は生きている心地がしませんでした。
こういう話を聞くと「やっぱり安全な日本にいたい…」と考えるようになるし、「危険な目にあうくらいなら留学に行きたくない…」と思うようになりますよね。テロ対策で入国する際の検問が厳しくなっているとは言え、「本当にこれでテロが防げるの?」と思ってしまうくらい、すごく簡易的に見えてしまいます。
見知らぬ土地へ留学するということは、身の安全を自分で守ることと同じです。全てが自己責任となるのが、留学なのです。
留学で不安にならないために大切なこと
上記3つの根本的な不安は留学のことを考えるとずっと付き纏うものですが、この不安はしっかりと対策を行うことで解消することができます。
大切なのは、留学の目的意識をはっきりさせること。
ここの意識が薄れてしまうと、不安は膨張し続けるだけとなります。目的は留学を有意義なものとするための、自分自身をゴールへと前進させるための最も重要な指針です。ここが確立している人は現地で迷うことなく真っ直ぐに突き進むことができるし、不安も少ないものです。
そもそも止まない雨はありません。どんな長雨もいつか必ず止む時がきます。
ずっと続く不安などないのです。
留学の不安を解消するために行うべき7つのこと
では、実際にどのように不安を解消していけば良いのでしょうか。ここでは実際に僕が行った不安の解消法をお伝えしていきます!
留学における英語力の不安
英語力さえ伸びていれば人とコミュニケーションを取ることができるので、友達ができないと不安になったり授業についていけるか心配なることは少なくなります。
オススメなのは、留学前にある程度英語の準備をしておくことです。
僕の経験上、TOEFLやIELTSなど、英語力を数値化できるものを取得しておくと不安を払拭できることが多く、特にスピーキングセクションの設定されている試験で高得点を取っておくと「私って、人とコミュニケーション取れるんだ」という自信が不安を取り除くきっかけとなります。
英語の準備をする際、心に留めておいてほしいことがあります。
それは、英語力は間違えた分だけ上達していく、ということ。
「変な人だと思われたりしないかな…」とか「頭悪いって思われないかな…」など、英語を間違えると変な目で見られそうな気がしてすごく怖いと思いますが、どんなに語学センスのある人でも、間違えることなしに英語を身につけることはできません。たくさん失敗し、いっぱいミスを重ね、ようやく高い語学力を身につけるのです。試行錯誤を繰り返しながら少しずつゴールへと向かっていくように、英語学習においても間違えながら前に進む以外に方法はありません。
間違えることは、決して悪いことではないのです。
語学力と頭の良さは直結しません。どれだけ英語を使用し、ミスをして、そして何度軌道修正しながらまた使うかで、語学力は決まります。効率的に英語を学習する方法はありますが、どんな学習法においても間違うことなしに前へ進むことはできません。
歯を食いしばっただけ、英語力は上達するのです!
留学前に実践的な英語力を身に付ける学習法は以下の記事を参照してください!
留学先の授業についていけるのか不安
語学学校の場合、入学初日に軽い筆記テストと面談があります。その結果を踏まえて自分のレベルにあったクラスへと振り分けられるので、授業についていけない、ということは基本的にないのです。仮に少し難しいなと感じたとしても、先生やコーディネーターに相談するとクラスを変更してくれるので、自分のレベルとクラスがミスマッチすることはほとんどありません。
また、大学の場合は授業がレコーディングされていることが多く、授業でわからないことがあったとしてもレクチャーのスライドに合わせて音声が再生されるので、何回も聴き直すことができます。授業前には大学生専用のポータルサイトで事前に読んでおくべき文献や本がリストアップされていて、授業はそれに沿って進められていきます。個人的な感想としては、予習を徹底的に行っていれば授業に付いてけないということは基本的にありません。
もちろん自分が全く無知なトピック、または苦手分野に関しては予習が間に合わないということもありましたが、セメスターが進んで自分の英語力が上達すると同時にそれも少なくなりました。どうしても分からない部分は友達に相談したり、逆に分かる部分は共有したりと、分からないのは皆同じなので、助け合いながら前に進みました。
授業後に先生に相談したり、メッセージを送って別途相談したりなど、個別に対処する時間も設けられているので、一度の授業で全てを分かる必要はないのです。
留学先でホームシックになる不安
これは男女問わずあることなのですが、なぜか無性に家族に会いたくなったり、遠く離れた場所にいることにすごく恐怖を感じたりなど、いわゆるホームシックになることがあります。それは慣れ親しんだ土地を離れたことによる後遺症のようなものであって、あなたが精神的に弱いということではありません。
僕が渡豪して1ヶ月ほど経った時、英語力が思ったように伸びずこの先本当にやっていけるのかどうか不安で仕方なかった時、無性に家族に会いたくなりました。逃げ帰りたいわけでも、目的意識が消えたわけでもなかったのですが、どうしても母の顔を見て元気をもらいたくなったのです。これから初めて海外に出る人であれば分かると思うのですが、留学先では思うように連絡を取れないと思ってしまいますよね。いつでも電話したり、メッセージを送ったりできないのではないかと考えてしまいますよね。
でも、近年はそれが普通にできるようになっています。
スマホのSimカードを入れ替えれば日本にいる時と同様に携帯を使えるので、LINEやFacebook、Face Timeなど、日本で暮らしているのと何ら変わらない状態で過ごすことができます。顔が見たくなったらFace TimeやLINEのテレビ電話を使えば良いし、Skypeだって可能です。相手の笑顔を見れば何だか近くにいるような気がして、「また頑張ろう」と思えるものです。
また、どうしても寂しくてたまらなくなったとしても、語学学校や大学には専門のカウンセラーが常駐しています。ただの相談役ではなく、資格を持ったその道のプロが話を聞いてくれるのですごく頼りになるし、どのように不安を解消すれば良いのかということを一緒に考えてくれるので、本当に「味方」のような、母が隣にいるような、そんな感覚になります。
また、ホームシックは孤独な時になりやすいと言われていますが、学校のクラブやサークルなどに入ると友達ができやすく不安も解消されやすいので非常にオススメです!僕はフットサルを通してたくさんの友人と出会いました。スポーツは言葉の壁を越えやすいので友達を作りやすいのです。
スポーツだけでなく、共通の趣味のようなもの(カメラを持って郊外を散策など)を一緒に共有するサロンに入ったり、語学を通して集まるランゲージエクスチェンジなど、人と繋がる場はたくさんあります。
フットワークを軽くして、どんどん人と出会いに行ってみてください!
留学先の安全性に関する不安
どんなに安全だと言われている国であっても、不測の事態は必ず起きるものです。メルボルンも安全だと言われていますがテロは起きていますし、これはその他の国でもあまり状況は変わりません。日本もテロこそ起きないものの、殺人や通り魔、痴漢などは頻繁に起こっていますし、むしろ遭遇率は日本の方が高いのではないでしょうか。
「完全に安全な場所」など、世界のどこにもないのです。
現地でエージェントがサポートする安心プラン等出回ってはいますが、身の安全を完全に保証するものではありません。いざテロが発生した時にすぐそばにエージェントがいてくれるとは限らないからです。ボディーガードでも雇わない限り、完全に身を守ることなんて不可能なのです。
じゃあ留学は危険なものなのかというと決してそうではありません。確かにテロはどこにいても起きるものですが、起こる場所は大抵人が集まる中心街と決まっていて、それ以外の場所では滅多に起きません。近づかなければそれほど危険性があるわけではないのです。
危ない地域等も基本的に決まっているので、留学前に予め調べておいて、できる限り近づかないようにすれば事件に巻き込まれることは極めて少ないのです!
留学先で友達ができるか不安
友達を作れるかどうかは不安を構成する大きな要素だと思いますが、語学学校ではレベルに応じてクラス分けが行われるので、自分と同じような悩みや不安を持った友達と仲良くなりやすい環境にあります。エクスカージョン(クラスごとの修学旅行など)など交流する場も学校で用意されていることもあるので、友人と親しくなる機会はたくさんあります。僕が語学学校にいた時はグランピアンズ(Granpians)に行きましたが、その時の友人が今のハウスメイトであり、かれこれ4年の付き合いになります。
また、大学ではグループアサインメントやディスカッションが多いので自然と仲良くなります。特にアサインメントに関してはすごくシビアで、1つでもFail(科目を落とすこと)すると卒業できないのでみんな必死に勉強します。課される課題も簡単ではなく、授業前に読まなければならない文献も膨大なので、毎日白目になりながら必死に過ごしていました。
わからない部分は得意な人に聞いて、逆に自分が得意な部分は教えるなど、各々のバックグランドを生かした助け合いになるので、心の距離を縮めやすいのです。
大切なのは、愛嬌とGiveの精神、そして自分から積極的に話すこと
海外においては「空気を読む」は一切通用しないので、自分から会話の中に飛び込んでドンドン積極的に心を開くようにしてください。自分が心を開いた分だけ、相手も自分に信用を置くようになります!
留学時の金銭面に関する不安
資金面も大きな不安材料だと思いますが、基本的に留学に選ばれる地域はどの国も日本以上に時給が高い傾向にあります。もちろんその分物価も高いのですが、アルバイトだけでも十分に生きていくだけの収入を得ることができます。
例えば、メルボルンの最低時給は約20ドルですが、学生は週に20時間働くことができます。仮に15時間働いとすると週に300ドル、それが4週間なので1ヶ月で1200ドルになります。家賃が700ドルだと仮定すると残り500ドル余るので、食費を差し引いても多少お金が残る計算になります。
それでも足りない場合は多少荒技ですが、大学の掲示板などに日本語を教えるアルバイトを掲載しておくと現金で収入が入ることになるので、週20時間の拘束には引っかからないことになります。
また、応募できる奨学金も思っている以上にあるので、留学前に事前に調べておくと資金面の不安は解消していきます!
留学先の食に関する不安
僕はご飯が口に合わないとすごくストレスを感じるタイプなので現地の食がかなり心配でしたが、現地に来て思ったのは
思った以上に日本の調味料手に入る…
日本のスーパーマーケットはあまり見かけないものの、韓国やアジアンスーパーマーケットなど、至るところに日本食製品が売られています。
つまり、自炊すれば食の問題はほとんど解消されるのです!
もちろん外食をすれば脂っこいものが多く、お腹にはかなりヘビー級のものもありますが、それが毎日続くわけではありませんし、最近ではどこの国でも移民が多くなって来ていていろんな国のレストランがあるので、自分の口に合う料理を見つけることもできます。
食に関してはそこまで心配する必要はないのかな、と思います!
留学先の差別に関する不安
現地で過ごしていると拙い英語で苦笑されたり、アジアンというだけで上からモノを言われたりなど、細かな文化の違いや壁を感じることは多々ありますし、時には差別用語をぶつけられることもあります。オーストラリアでは差別は少なくなってきていますが、郊外などローカル地域に行くと未だに残っているようです。
アジア人は肌の色から「Yellow」と呼ばれることがあり、高校を卒業したばかりのちょっとヤンチャな集団の間ではアジア人に卵(白人の中に黄色が混じっているという意味)を投げつけて当たるとラッキーが訪れるという神話を信じている人もいます。
しかし、これはごく一部の人たちで、大多数の人たちはそうではありません。
メルボルンは人種のるつぼでいろんな国からの移民とその文化の共存で成り立っているので、異文化理解のない人たちや差別意識のある人たちは社会から強い視線を浴びるようになっています。昔ほど差別はないし、住む地域によってはこちらが恥ずかしくなるくらいモラルのしっかりした人たちも多いですが、僕自身、万が一差別に遭遇した場合でも、そういう人もいるんだね、かわいそうだな、という受け流せるような人でありたいと考えています。
不安が消えると留学は楽しいものになる!
僕も留学前は不安が大きく、本当にこの選択は正しかったのだろうかとすごく考えましたし、日本に逃げ帰ることのできない状況は不安を一層大きくするものでしたが、冷静に自分の置かれた立場を整理し、対策を行うことで少しずつ不安を解消することができました。
不安が解消されると、留学はかなり楽しいものとなるし、目的を見失うことも少ないので留学それ自体がとても有意義なものとなります!今なぜ不安なのか、何が怖いのか、それに対して何ができるのかを今一度自分の胸に手を当てて考えて頂ければと思います!
不安の根本原因を解消し、あなたの留学が素敵なものになることを、心から祈っています!
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留学前に行うと伸びる英語学習法に関して以下の記事にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!
あなたは、私を捨てて行くのね