今回はスピーキングの前提ということで「英語脳」について具体的にお話をしていきます。
英語を学習する中で、こんなアドバイスを受けたことはありませんか?
- 「英語は英語で理解しなさい」
- 「日本語を使ってはいけない」
などです。僕自身、英語を勉強し始めた頃、これを鵜呑みにして勉強に日本語を使ってはいけない」とか。一度は言われたことあると思います。僕も英語勉強し始めの頃はこれを鵜呑みにして「英語を英語で勉強するんや」と気合い入れたり、英英辞典を使って勉強していました。
ただ、結果として本当に伸びなかったです、、、。逆にこれが原因で英語力が伸び始めるのにすごく時間かかったな、と今振り返るとすごく後悔してます。今回はそんな「英語脳」に関するお話をスピーキング編の前提としてお伝えしていきます。
英語初心者の人が最もしてはいけないNG行動
英語初心者が英語力を伸ばす上で最もやってはいけないことがあります。それは「いきなり英語を英語で習得しようとすること」です。
日本語を習得した時と同じように、「英語の長文を多読していれば、いつか読めるようになる。」「英語を聴き続ければ聞き取れるようになる!」という風に、根性論に近いものを信じてやっていた時期もありましたが、結論として、英語の初心者の場合、いきなりこれやっても伸びることはほぼありません。逆に英語力が伸び始めるのにすごく時間がかかってしまいます、、、。
「いきなり英語で英語を勉強」はなぜNGなのか?
では、なぜ伸びないのか?それは、「英語を理解するための英語力」がまだ備わっていないからです。「音理解と意味理解の重要性」について前回解説しましたが、英語が話せるようになるためには「意味」を理解する必要があります。例えば、今僕らが「スマホ」を理解できるのは、スマホが何なのか?を知っているからです。20年前にスマホの話をしてもきっと誰も意味が分からなかったですよね。
これは英語でも同じで、例えば、「minority」という単語。日本語で言うと「マイノリティ」ですよね。僕も受験の時に「マイノリティ」と音で覚えてしまってたのですが、実際の発音は「マノーリティ:mənɔ́ːrəti」。これ、実際に聞くとえらい違いで、全く別物に聞こえるんです。前回ご紹介したマクドナルドも、実際は「メクドゥナ」に近い発音です。
つまり何が言いたいかというと、「この単語の意味は〇〇である」、例えば、「”On”は”何かの上に接している”っていう意味、イメージだよ。」という風に理解していなければ、英語は理解できない訳です。それを意味も知らない英語という言語を使って英語を理解していくのは、あまりにも効率が悪いですよね。
ということで、最初は「この単語の意味はこう」「英語の音はこれ」というように、日本語で補助をしてあげながら勉強した方が、英語初心者の英語力は伸びやすいです。
日本語に頼る上での注意点
ただし、ずっと日本語に頼っていて良いかというと決してそうではなく、「日本語で考えること」は少しずつ減らしていく必要があります。英語を話すときに、相手の英語を1つ1つ日本語に変換していたら間に合わないですし、いちいち日本語を挟んでいたら時間がかかりすぎて会話にならないからです。英語には「英語でしか表現できないイメージやニュアンス」があり、これを英語で考えられる状態にならなければある一定のラインから伸びないことが多いです。
理想的には、自分のイメージを直接英語で表現できること、「イメージ→英語」というプロセスで考えられる、俗にいう「英語脳」と呼ばれるものを習得していきたいので、少しずつ日本語を減らしていく努力は必要になると思います。
では、僕は今ずっと日本語を使ってないかと言われたら決してそんなことはありません。「どんな状況で、誰と、何を話しているのか」によって日本語が入ってくる割合は変わっています。例えば、カフェなどで注文したり、気心知れてる友達と日常の話をする時には日本語はほぼ入ってきてません。思ったことが英語として咄嗟に出てくるような感覚です。
一方、ビジネスの場で会った人と深いレベルで仕事の話をしなければならない時は、日本語の感覚が結構出てきます。つまり、完全に日本語を排除できているわけではなく、その場その場の状況によってその割合は変わっているのですが、少なくともイメージが英語として変換されている割合が大きいほど相手の話もスッと理解できるようになりますし、自分の伝えたいこともスラスラと出てくるようになるので、「日本語を減らしていく努力というのは必要だよね」と思っています。
英語脳を作るための具体的な方法
では、どのように「イメージ→英語」というプロセス、つまり「英語脳」を作っていくのか。これには段階を踏んでいく必要があります。まずは前提としてこの図のことができるようになること。

繰り返しになりますが、英語が話せるようになるには「言いたいことを」「適切な英語へ変換して」「適切な音で発声する」というステップが必要でしたね。まずは、この3つのステップが確実にできるようになることがすごく大切です。
例えば、
- 「言いたい内容を明確にしたい」→「抽象化とロジック思考がある」
- 「話したい内容を英語に変換したい」→「適切な英文法で文が作れる」
- 「話したい内容を発音したい」→「正確な英語の音で発音できる」
という風に、この3つの壁が越えられるようになれば、次はそれぞれを繋ぐ部分を強化していく必要があります。例えば、言いたいイメージから英文を作るのに30秒かかっているのであれば、「瞬間英作文」で時間を縮めていく練習が必要です。英文を発声する時に「どの音だったっけ?」と考えてしまっているなら、瞬時に発音できるようなトレーニング、「音読」や「シャドーイング」といったものが必要になります。
最終的には、「言いたいこと→発声」を一瞬でできるよう、各セクションの繋ぎ目にかかっている時間を短縮していくことで、”英語脳”というものが出来上がっていくイメージです。これにはやはり、1つずつステップを踏んでいく必要があるかな、と思います。それぞれのやり方に関しては今後個別のセクションで具体的に解説していくので、自分の苦手な部分に合わせて重点的に強化していってもらえたらと思っています。
英語脳の作り方
英語初心者が最速で英語力を伸ばすには、いきなり英語を英語で勉強するのではなく、最初は日本語を補助的に使いながら学ぶことが重要です。ただし、ずっと日本語を使っていて良いわけではなく、少しずつ日本語を減らし、イメージを直接英語で表現できる「英語脳」を目指していきましょう。
そしてイメージを直接英語にするためには、各セクションを強化した後にそれぞれを繋ぐ部分の練習をしていくことも必要です。英語学習は段階的なプロセスが大切です。焦らず、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
それでは今回の内容は以上となります。お疲れ様でした。