1. なぜIf文(条件文)が大切?
英語の「If(もし~なら)」を使うと、
- いつでも起こる普遍的な真実
- 実際に起こり得る未来の話
- ありえない想像や願望
- 過去にこうしていたら…という後悔・仮定
などを表すことができます。会話でも文章でも頻出なので、ぜひ覚えましょう。
4つのドアとの関連
英語の文は「4つのドア」で考えることができますが、If文(条件文)は2つの文をくっつけたイメージです。
- If節(もし~なら…)
- ドア①(主語)+ ドア②(動詞)+ (ドア③/④)
- 例)If it (ドア①) rains (ドア②), …
- メイン節(どうなる…)
- ドア①(主語)+ ドア②(動詞)+ (ドア③/④)
たとえば、
- If節 → it = 主語, rains = 動詞
- メイン節 → I = 主語, will stay = 動詞, home = 目的語(ドア③)
こうして条件(If文) と 結果(メイン文) を、それぞれドア①/②で組み立てて、全体を1つの文にまとめています。
2. If文の基本構造
If 文(もし~なら) + メイン文(どうする・どうなる)
- 例)If it rains, I will stay home.
- If 文:If it rains(もし雨が降ったら)
- メイン文:I will stay home(家にいるつもり)
文法的には、「If文の動詞の形」や「メイン文の助動詞の形」をどうするかで、どれくらい現実的か / どれくらい仮定的かを表現します。
ドアとの関係
ドア① (主語) / ドア② (時制を含む動詞) は、Ifの文とメインの文(本当に言いたい文)それぞれで別々に考える。
- If 文:If it rains → it (主語) + rains (時制:現在形)
- メイン文:I will stay → I (主語) + will stay (動詞; 未来形)
3. 4つのパターン(現実度の違い)
(A) いつでも起こる真実(普遍的事実)
- If文:現在形
- メイン文:現在形
- イメージ:いつも同じ結果になる科学的事実や習慣など
例)If you heat water, it boils.(水を熱すると沸騰する)
(B) 実現しそうな未来の話
- If文:現在形
- メイン文:will + 動詞原形 など
- イメージ:起こりうる未来 → 可能性が高い条件
例)If it rains, I will stay home.(雨が降ったら、家にいるつもり)
「~になったら、○○するよ」
(C) 今・未来で実現しなさそうな仮定
- If文:過去形(ただし、実際は今・未来のこと)
- メイン文:would / could + 動詞原形
- イメージ:現実には難しいけど、「もしそうなら」という空想・願望
例)If I had a million dollars, I would travel the world.(もし百万ドル持っていたら、世界を旅するのに)
実際は持っていない → 非現実的
(D) 過去にもう変えられない仮定
- If文:had + 過去分詞
- メイン文:would / could have + 過去分詞
- イメージ:過去の出来事をやり直すことはできない → 後悔や残念を表す
例)If I had studied harder, I would have passed the exam.(もっと勉強していたら、試験に受かっていただろうに)
「あのとき○○していたら…今は違ったのに」
4. 助動詞の形に注目
- 「will」 → “実際に起こりうる未来”
- 「would / could」 → “控えめ&非現実”
- 「would have / could have」 → “過去の非現実”
“過去形”の助動詞(would / could)は、「現実から一歩引いた、実現しなさそう」なイメージをもたらします。“過去形”=丁寧・距離を置く → 実際とは違うことを表す、という考え方と関連(Would / Could などの助動詞も過去形由来 → “現実からの距離”を感じさせる)しています。
5. 助動詞の活用:If文との組み合わせ
- If I were you, I would…(私があなただったら、~するだろう)
- If we could finish earlier, we would go out.(もし早く終えられるなら、外出できるんだけど)
- If he had known the truth, he could have changed his plan.(もし彼がその真実を知っていたら、計画を変えられたかもしれない)
助動詞の“過去形”(would, could, might など)を使うことで、仮定や非現実を表すのがポイント。
6. よくある疑問
If I was / If I were はどう違うの?
- 文法的には If I were が「(今)私があなたなら…」の正式表現
- 口語では If I was も使われるが、フォーマルには “If I were” が好ましい
仮定法で現在を表すのに過去形を使うのはなぜ?
- 「過去形=現実から距離を置く」という考え方。実際と違う想像を表すため、過去形や助動詞過去形を使う
If文でwillやwouldは使えない?
- 基本的に「If文は現在形または過去形/had + 過去分詞」
- ただし「If you would like to…」のような特殊用法はあるが、普通の条件文では使わない
7. 練習問題
以下の日本語を英文にしてみてください。
(1) もし雨が降ったら、私は家にいます。
使う単語:will / rain / if / it / stay / I / home
▶︎ヒント
起こるかもしれない未来 → If文は現在形、メイン文は will + 動詞原形
▶︎解答
If it rains, I will stay home.
(2) もし水を熱すると、沸騰する。
使う単語:boils / if / heat / you / it / water
▶︎ヒント
普遍的事実 → If文、メイン文どちらも現在形
▶︎解答
If you heat water, it boils.
(3) もし私があなただったら、その仕事は断るでしょう。
使う単語:would / job / were / you / I / if / the / refuse
▶︎ヒント
非現実の仮定(今そうじゃない) → If文は過去形 (were)、メイン文は would + 動詞原形
▶︎解答
If I were you, I would refuse the job.
(4) もし私たちがもっと早く出発していたら、渋滞を避けられたのに。
使う単語:had / earlier / we / avoided / left / could have / the traffic jam / if / we
▶︎ヒント
過去のやり直しはできない → If文:had + 過去分詞、メイン文:would/could have + 過去分詞
▶︎解答
If we had left earlier, we could have avoided the traffic jam.
(5) もし時間があれば、映画を見に行くのになぁ。(今は忙しい)
使う単語:movie / if / have / time / go / a / I / I / would / to
▶︎ヒント
今は時間がない → 非現実の仮定(If文:過去形、メイン文:would + 動詞)
▶︎解答
If I had time, I would go to a movie.
(6) もし天気が良ければ、散歩に行きましょう。
使う単語:fine / let’s / is / weather / if / take / the / a walk
▶︎ヒント
起こりうる未来の条件 → If文:現在形、メイン文:let’s or we will
▶︎解答
If the weather is fine, let’s take a walk.
(または “If the weather is fine, we’ll take a walk.”)
(7) もし私にもっと勇気があったら、彼女に本当の気持ちを伝えるのに。
使う単語:tell / more courage / if / I / her / had / I / would / how I feel
▶︎ヒント
「今そうじゃないが、もしそうなら…」 → 非現実の仮定(If文:過去形、メイン文:would + 動詞)
▶︎解答
If I had more courage, I would tell her how I feel.
(8) 水をやらないと、その花はすぐに枯れてしまいます。
使う単語:doesn’t / water / the flower / die / if / you / it / give / will
▶︎ヒント
実際に起こりそうな未来 → If文:現在形、メイン文:will + 動詞
▶︎解答
If you don’t water it, the flower will die soon.
(9) もう少し早く寝ていたら、今朝はこんなに疲れていなかったのに。
使う単語:slept / tired / had / I / if / earlier / been / not / would / this morning / have
▶︎ヒント
過去に反する仮定 → If文:had + 過去分詞、メイン文:would have + 過去分詞
▶︎解答
If I had slept earlier, I would not have been so tired this morning.
(10) もしそれが本当なら、みんな驚くだろうね。
使う単語:if / is / that / it / everyone / were / would / true / be / surprised
▶︎ヒント
“もしそれが本当なら” → 現在の仮定だけど非現実 → If文:were / was、メイン文:would + 動詞
▶︎解答
If it were true, everyone would be surprised.
(口語で “If it was true” も可)
8. まとめ
- If 文 + メイン文 は「いつの話で、どれくらい現実的か」を表す。
- いつでも起こる真実 → 現在形 / 実現しそうな未来 → If文は現在形、メイン文に will
- 実現しにくい仮定(今・未来) → If文は過去形、メイン文に would
- 過去に反する仮定 → If文は had + 過去分詞、メイン文に would/could have + 過去分詞
- 過去形の助動詞や動詞を使うことで「現実と違う」ことを示す(“距離”を置く)
もしこれをしっかりマスターできれば、英語の表現力がぐんとアップしていきます!