英語習得における「音」の重要性

ここでは、なぜ英語習得において「音」が重要なのか。ひいては発音が大切なのかについて、僕の経験から具体的に解説していきます!

まず「音」でつまずくと、すべてが転ぶ

英語を話したり聞いたりするためには、下記2つの要素が必要だと言われています。

  • 音理解
  • 意味理解

音理解とは、ネイティヴの声を〈カタカナ〉ではなく〈英語の音〉として聞き分けることができる、ということ。
要は「Apple」と聞いた時に、自分の頭の中にある「Apple」という音と紐づいているか。つまり、正しい音で覚えられているか、ということ。音理解がない場合は、ただ音楽を聞き流しているのと同じような状況になります(まさに、右から左へ〜の状況…)。

意味理解とは、音を聞いた後にその音を塊を意味として理解できる、ということ。
例えば、「Apple」という音は聞けたが、頭の中にリンゴのイメージが浮かばなければ、それは「英語を理解できていない」ということになりますよね。
空耳はこれの一種。音は拾えたけど、その意味が音に紐づいていないので、頭の中にある近しい音の日本語に当てはめて解釈してしまっている状態です。

  • 単語10 000語暗記 → 発音がズレていて聞き取れない
  • 文法書3周 → 口から出すと「Huh?」と聞き返される
  • 映画で勉強 → 音が取れず「ただの映画鑑賞」で終了

音を飛ばす=家を基礎ナシで建てるのと同じ。ちょっとした“強風”(速い会話)で一瞬で崩れます…!どれも音の土台 が無いせいで遠回り…。最初に「発音」を強化する方が圧倒的に早いんですよね。

音理解と意味理解、2つがないと英語を聞くことも、話すこともできないのですが、音理解があれば意味理解の方も加速度的に習得できるので、「音」を先に鍛えることをオススメします!

ちーや
この部分、具体的にちゃんと知りたい!って人も多いと思うので、1つずつ詳細にまとめていくね!

発音が“英語習得において重要”と言われる7の理由

ここで改めて、発音が大事だと言われる背景を確認しておきましょう。多くの人が「発音が大切なのは分かってるけど…」と口にしますが、もう一度“なぜ”重要なのかを言語化しておきます!

1. 言語習得において、実は音の獲得が脳的に先

文字より音を先に覚えたほうが、言語習得は圧倒的に早いと言われています。子どもが読み書きできなくても話せるのは、まさに音を先に身につけているから。子供だけでなく、音を先に身に付けている人は実際に英語力習得スピードが非常に早いです!

また、音を脳内に正確にマッピングできているとその後の文法や単語の入力(インプット)が増えても、混乱が起きにくいと言われていますし、脳科学の視点では、“正しい発音”をする過程で、口や舌を動かす指令を出す部分も活性化することがわかっています。

要は、脳内でイメージしたものを音に変換しやすくなる=英語が英語としてパッと出てきやすくなる、ということです!

2. スピーキング能力が飛躍する

英語を話すとき、頭の中では「単語・文法の選択」「何を言うか(内容)」など複数の処理を同時に行っています。ここで“発音が不安”だと、次のような追加負荷がかかります。「この単語、どう発音するんだっけ? 舌の位置は?喉の響きは?「通じるかな…」と不安がよぎって「何を話すか」よりも「正しい音」ばかり気になってしまいます。

発音に確信が持てると音の心配は最小限に抑えられるので、「何を伝えるか」「どう主張を組み立てるか」に脳のキャパシティをしっかり使えて、伝えたいことがスムーズに口から出てくるようになります。

3. リスニング力が上がる

「自分で発音できる音は、実際に聞いても聞き取れる」と言われています。「英語が聞き取れる=ネイティヴの発音と頭の中にある音が一致している」ということだからです。

「マクドナルド」とカタカナ英語で覚えている人は多いですが、実際の発音は「メクドゥナ」のような発音。正しい音が認識できていればネイティヴの速い英語でも拾える音が格段に増えていきます。

4. リーディングまでラクになる

今この記事を音読しながら読んでいる人は少ないと思いますが(笑)、人は文章を読む時に「頭の中で発音しながら読んでる」んですよね。
頭の中での発音が正しい場合、Appleという音とリンゴのイメージが頭で繋がるように、発音した英語をその意味に変換するスピードが向上するので、読解スピードがグンッと上がります!

5. 適切なフィードバックを受けやすい

人は、自分の声を聞くときに耳や骨を通して聞いているので、実際に他人が聞いている音とズレています。さらに英語学習を進めると「自分は正しい音を出してるはず」と思い込みやすくなり(←僕ですw)、細かい発音ミスを見落としてしまうことも往々にしてあります。

発音を鍛えていれば自分の英語音声を録音して客観的に確認したり、ネイティヴ講師の指摘を直感的に受け入れやすくなるので、結果として、短いスパンで発音を修正できます。これは英会話だけでなく、リスニングやスピーキング全般の向上にも大きく影響すると個人的には考えています!

6. 母国語の影響から抜け出せる

英語を話すときに日本語脳が働く一番の原因は、「カタカナ音で覚えてしまっている」ことにあります。たとえば、「Apple=アップル」と認識していると、実際に英語で聞いたときに「æ」や「ə」の音に気づけず、“アップルじゃない音”に感じて理解が遅れるわけです。

ところが、発音トレーニングを通して「英語らしい音」を身体で覚えていると、単語を見たり聞いたりした際、脳内の日本語変換を挟まずにダイレクトに“英語の音→意味”へと繋げやすくなります(ここは③で説明した内容と同じですね)。日本語特有の音やリズムに引きずられなくなり、スピーキングだけでなくリスニングやリーディングも“英語のまま理解”できるようになっていきます!

7. 自信がつく

これははっきり断言しますが、スピーキングでビクビクしてしまうのは、確実にリスニングができないことによるところが大きいです!発音できるものは聞き取れる、と、説明しましたが、逆を言えば、発音できないものは聞き取れない、ということ。

「Huh?(何て言ったの?)」と聞き返されて、僕はメンタルが崩壊しましたw

しかし、発音を鍛えていれば相手の話は聞き取れるので、意味わからない発言をすることも大幅に減りますし、下手くそな発音で笑われることも鬼減ります。また、「君、オーストラリア育ちなの?」と言われる機会が増えると、ますます英語を頑張ろうという気持ちになります(←単純w)

また、これは冗談ではなく、自信を持って話せる人の方が英語力は伸びやすいです!上のTweetのグラフを見ていただけたらわかりますが、文法等の間違いを気にしながら話している人はやはり英語力の上達は遅い傾向にあります。

つまり、割と真面目に「英語習得においてメンタルは大事」ということ。

発音鍛えるだけで言語学習という観点からも、そしてメンタル面でも(笑)メリットが大きいので、ぜひ優先的に鍛えてください。

英語発音をネイティヴのように独学で矯正する4つのポイント

ここでは初心者が発音を矯正する時のポイントを1つずつ詳しく解説していきます!

ちーや
自分と照らし合わせて読んでみてね!

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正するコツ1:リンキング・リエゾンを知る

リンキング・リエゾンとは単語と単語の音の繋がりのことで、日本語でも頻繁に起こるものです。

日本語の場合

  • わたしゃーね=わたしはね
  • そりゃねーわ=それはないわ
  • おとーさん=おとうさん

これが英語になるとこんな感じになります。

英語の場合

  • This is an apple.=ディスズアンアポー
  • Would you like~=ジュライク〜
  • How are you doing?→Hey ya doing?=ヘイヤドゥーエン?

全然違いますよね!

この音の変化を理解することでネイティヴが話しているような発音に近づけることができるのです。

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正するコツ2:リダクションを理解する

リダクションとは音の省略のことを指しますが、これも日本語で頻繁に使われます。

日本語の場合

  • テキトー=てきとう
  • 行くでしょ?=行くんでしょ?
  • ありがと!=ありがとう!
英語の場合

  • I am going to~ → I’m gonnna
  • I want to ~ → I wanna
  • I have got to ~ → I’ve gotta (godda)
  • I am trying to ~ → I’m tryinnya
  • It’s kind of ~ → It’s kinda
  • It’s sort of ~ → It’s sorta

ビジネスなどのフォーマルな場で使われることはあまりありませんが、カフェや友達との日常会話などではほぼ高確率で遭遇します。

この音の省略を理解しているとネイティヴの英語発音にグッと近づきます。

ちーや
日本語も話しやすさを重視して音を省略することがあるけど、それが英語でも起きてるんだね!

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正するコツ3:イントネーションやアクセント

日本語と英語ではアクセントの位置やイントネーションが大きく異なります。例えば、日本語は終始平坦に発音されますが、英語で波を打つような流れがあるのが特徴です。

上が英語、下が日本語ですね!

例文
  • The apple that my friend gave me yesterday was so sweet and that was the best ever.

英語で強くされる部分は赤い部分のみで、それ以外は小さく発音される印象です。

基本的に英語のイントネーションは重要な部分のみを強く発音することに重点が置かれているので、必然的に波を打つようなイントネーションになるのです。

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正するコツ4:英語独特のリズム感

英語ネイティヴの発音と日本人の発音が大きく異なるのはこのリズム感です。

日本人の多くは舌の位置や巻き舌などができないから発音が上手にならないと思い込んでいますが、ネイティヴ発音により早く近づけるためにはリズム感を出すことが大切だと僕は考えています。

特に英語は単語1つ1つにアクセントがあり、文章の中でどのような役割を果たすのかによってリズムが大きく変化する言語なので、リエゾンやリダクション、イントネーションはしっかりと理解しておく必要があります。

僕はオーストラリアでの5年間の生活の中で多くの日本人と出会いましたが、「正しい単語や文法を使ってるのに通じてない…」という人にたくさん出会いました。

正しいリズム感がないとネイティヴに伝わりづらく、言いたいことも理解してもらえないのです。

ちーや
リンキングやリエゾン、リダクションやイントネーションをマスターすると、伝わる英語の範囲は一気に広がると思うよ!

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正する3つのコツ

ここでは英語の発音をネイティヴに近づけるためにすべきことを3つご紹介します!

英語発音を独学でネイティヴに矯正する練習1:どの英語を学ぶのかを決める

「英語」と一言で言ってもイギリス英語やアメリカ英語、そしてオーストラリア英語など、それぞれの場所によって使われる単語や表現が大きく異なります。

アメリカでは使ってもイギリスでは一切使われなかったり、逆にイギリスで使うものがアメリカで使われなかったりと、結構違うんですよね。

※オーストラリアではイギリス英語の影響が大きいものの、アメリカ英語もかなり混ざっています。

引用元;7ESL

そして発音において最も気をつけなければならないのは、アクセントの違い。

オーストラリアは特に顕著で、Todayの発音が「トゥダイ」になったり、How are you doing?が砕けて「Hey ya doen?」などのように発音されます。

どの地域で英語を学ぶかによっても発音やアクセントは大きく異なるので、まずはどの英語を学ぶのかを決めましょう!

英語発音を独学でネイティヴに矯正する練習2:息の使い方

ネイティヴと話していると「めっちゃ声デカイ…」と一度は思ったことがあると思うのですが、声が大きいのには理由があります。

それは、英語ネイティヴは腹式呼吸で話すから。

英語と日本語では話す時の空気量が違うと言われていて、リエゾンやリンキングなどが多い英語ではより多くの空気をはきながら発音されます。

やや大袈裟でも良いので、息を思いっきりはきながら発音するとスムーズに英語を話すことができるのでおすすめです!

英語発音を独学でネイティヴに矯正する練習3:発生場所

英語と日本語では発生の仕方が違うと言われていて、日本語は下の図のように舌の少し奥で発音するのに対し、英語は喉の奥の方で発生することが知られています。

これは「喉発音」と呼ばれていますが、やり方は簡単で、少し低めのトーンで発音するだけ。低い声で英語を発音すると、ネイティヴに近い発生の仕方になります。

ちーや
日本人で英語の発音が綺麗な人は、日本語の時よりもトーンが下がっていることがかなり多いから、少しだけ注意して聞いてみて!

英語発音を独学でネイティヴレベルに矯正する方法

ここではネイティヴの英語発音に近づけるための具体的な練習方法と5つのステップについて掘り下げていきます!

ちーや
まだ取り組んでいないことがあれば、ぜひ参考にしてみてね!

英語発音をネイティヴレベルに矯正する練習方法1:英文を見ながら聞いてみる

まずは英語音声のディスクリブション(英文)を見て音声を聞き、全体像を把握するところから始めましょう。

最初はわからない部分ばかりだと思いますが、この時点では気にせず、音声を止めずに最後まで一旦聞き流してください。英語の発音がどんな感じなのか、どのような雰囲気なのかを掴み取ることがこのステップでは大切なことです。

英語発音をネイティヴレベルに矯正する練習方法2:聞き取れない部分はどこか

英語の発音において、「発音できることは聞き取ることができる」と言われていて、逆に「聞き取ることができなければ、発音することはできない」と言われています。

いきなり全ての発音を矯正しようと考える人は多いですが、リスニングと発音には密接な関係があるので、まずは英文を一通り聞き流すところから始めましょう!

一度音声を聞いて、聞き取れない部分があれば、そこは実際に発音ができない部分です。

今どのような音が聞き取れないのか、どんな音を発音できないのかを確認してみましょう!

英語発音をネイティヴレベルに矯正する練習方法3:聞き取れない部分だけをシャドーイングする

聞き取れない部分のチェックが終わったら、その部分だけをシャドーイングしていきます!

英文全体をシャドーイングする人は多いのですが、発音できない部分というのはある程度決まっていて、逆に発音できる音は放っておいても発音することができます。

強化すべきは発音できない部分だけなので、まずは弱点に絞って発音を矯正していきましょう!

英語発音をネイティヴレベルに矯正する練習方法4:音声なしで音読する

重点的にシャドーイングが終わったら、音声なしで全体を音読していきます。

音声付きでのシャドーイングはかなり早いことが多く、特に最初はついていけないことも少なくないので、一旦音読で軽く試走して舌を慣らしていきます。

10回くらいを目安に、ドンドン音読していってください!

ちーや
この時に発音で詰まるところがあったら、チェックをしてステップ3に戻って重点的に矯正してね!

英語発音をネイティヴレベルに矯正する練習方法5:英語音声で全体をシャドーイング

ここからは全体を英語音声と一緒にシャドーイングしていきます。

最初は英文を見ながらでもOKですが、最終的には英文を見なくても暗唱できるくらいまでやり倒しましょう!

20~30回くらいやり込むとほぼ完璧に英語音声を真似ることができると思います。

ちーや
この5つのステップまでやり込んだら発音は以前よりも格段に綺麗になってると思うよ!1つのシャドーイングが完成するとすごく無双した気分になって自信も付くから、ぜひ試してみてね!

英語発音を独学でネイティヴレベルにする練習時の4コツ

ここでは発音練習する時の4つのコツについて解説していきます!

英語発音を独学でネイティヴレベルにする練習時のコツ1:意味やスペルは考えない

ここで行なっているのは「発音の矯正」なので、英文の意味やスペルに意識を置く必要はありません。

英語の意味を理解しようとすると発音に集中できなくなってしまいます。

英文の意味はシャドーイングを繰り返す中で徐々にわかるようになるので、まずは発音を綺麗にするところから始めていきましょう!

英語発音を独学でネイティヴレベルにする練習時のコツ2:苦手な部分を重点的に!

前述のように、発音できない音はある程度決まっているので、そこのみを重点的に矯正していくようにしてください!

特に日本語にはない英語の音やリンキング、リダクションなど、慣れていない音を脳に刷り込んでいく練習が発音を矯正する上ではすごく大切になります。

短期間で発音をよくしたい場合は、弱点の穴埋めに集中するようにしましょう!

英語発音を独学でネイティヴレベルにする練習時のコツ3:最初はゆっくり発音でOK!

赤ちゃんは生まれてすぐに爆速では走れませんよね。ヨチヨチ歩きから始め、次第にゆっくり立ち、そしてようやく走れるようになります。

同様に、いきなり早くシャドーイングできるようになる必要はないので、まずはゆっくり発音するところから始めてみてください!

ちーや
英語は1歩1歩の積み重ねだからね!

英語発音を独学でネイティヴレベルにする練習時のコツ4:自分の英語発音を録画する

僕は留学してからというもの、毎晩このような動画を撮っていました。これを僕は「日記アウトプット」と呼んでいますが、自分の英語発音を録音することで、いかに自分が発音しているのか、どのように矯正すれば良いのかなどが見えてきます。

最初は小っ恥ずかしいですが次第に慣れるので、ぜひやってみてください!

英語を習得したいなら、発音から!

この記事を読んでいる人は留学や海外大を目指している人が多いと思いますが、求められるのは「実践的な英語力」であり、その根幹にあるのは「音」です!

ここは重要なので、もう一度言います。

音をベースに勉強すること以外に、短期間で英語力を底上げすることはかなり厳しいです!

留学にも海外大への進学にも、〆切がある人の方が多いと思いますが、できるだけ最短で英語力を身に付けるためにも、必ず「音」を重視した学習をベースに進めるようにしてください!


P.S.

でも、実は正しく&効率的に発音を習得できる人は少数派。
自分一人でやろうと思うと、かなり遠回りすることも少なくないです(お金も時間も大量にロストしたのが、僕です…)

ということで、

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