1. なぜ「~される」形が大事?
英語では「誰が何をするか」を基本に文を作ることが多いですが、
- 「何が(だれによって)されるか」を強調したいとき
- 誰がしたかを言う必要がない、または知らないとき
などに「~される」を使うとスムーズです。
例1
- 「Tom がケーキを食べた」
→ ケーキよりも、Tom の行動に注目 - 「ケーキは Tom に食べられた」
→ ケーキに注目、「誰に食べられたか」はあとで付け足し
2. 4つのドアとの関係
これまで学んだ「4つのドア」(ドア①: 主語 / ドア②: 動詞 / ドア③・④: 追加情報) を思い出してください。
- ドア① … 今回は「行動を受けるもの・人」を主語にする
- ドア② … “be + 過去分詞” で「~される」を表す
- ドア③ … 誰が行ったか(“by ~”)、必要なら書く
- ドア④ … 時間・場所などの追加情報
例2
The cake (ドア①: ケーキ) was eaten (ドア②: be + eaten) by Tom (ドア③: 誰に) this morning (ドア④: いつ)
「ケーキ」に注目し、「誰に食べられたか」はbyで後ろに付け足す
3. 作り方の基本:be + 過去分詞
「~される」を英語で表すには、be (am / is / are / was / were / will be など) + 過去分詞を使います。
- 「ed」がつく動詞や、不規則に変化する動詞の「3つ目の形」(過去分詞) を使うイメージです。
make → made / eat → eaten / write → written など
例3
- This pizza is made by Tom.(このピザはトムによって作られます)
- The cake was eaten yesterday.(そのケーキは昨日食べられました)
4. 時制ごとに “be” が変わる
- 現在形 → am / is / are + 過去分詞
例)This room is cleaned every day. - 過去形 → was / were + 過去分詞
例)The window was broken last night. - 未来形 → will be + 過去分詞
例)The plan will be announced tomorrow. - 進行形 → am/is/are being + 過去分詞
例)The car is being fixed now. - 完了形 → have/has been + 過去分詞
例)This job has been done already.
5. 誰が行ったかは“by …”
- 誰に/誰によって行われたかを伝えたいときは、by ~ をつける
例)This letter was written by my friend.(私の友人によって書かれた) - 行為者が必要ない・わからない場合は、特に書かなくてもOK。
例)The door was left open.(ドアが開けっ放しにされていた)
6. どんな場面で使う?
- 行動の受け手を主語にしたいとき
- 例)My bike was stolen.(私の自転車が盗まれた)
→「誰に盗まれたかわからない or 重要じゃない」
- 例)My bike was stolen.(私の自転車が盗まれた)
- 客観的に出来事を述べたいとき
- 例)This building was built in 1900.(この建物は1900年に建てられた)
→誰が建てたかより、「建物が建った」という事実が重要な場合
- 例)This building was built in 1900.(この建物は1900年に建てられた)
- フォーマルな文章やニュース
- 例)He was arrested yesterday.(彼は昨日逮捕された)
→行為者を明かさない・必要としないパターンが多い
- 例)He was arrested yesterday.(彼は昨日逮捕された)
8. 練習問題
次の日本語を英文にしてください。
(1) このバッグは日本で作られました。
使う単語:in / this bag / was / Japan / made
▶︎ヒント
「~されました」→ was + 過去分詞(made)
▶︎解答
This bag was made in Japan.
(2) そのピザは今、調理されています。
使う単語:is / the pizza / now / being / cooked
▶︎ヒント
「今、~されている最中」→ is being + 過去分詞
▶︎解答
The pizza is being cooked now.
(3) 新しい計画は明日、発表されるでしょう。
使う単語:tomorrow / new plan / be / will / announced / the
▶︎ヒント
未来 → will be + 過去分詞
▶︎解答
The new plan will be announced tomorrow.
(4) 私の家は父によって建てられました。
使う単語:built / father / was / by / my / the house
▶︎ヒント
過去の出来事 → was + 過去分詞
行為者を示すときは “by ~”
▶︎解答
The house was built by my father.
(5) この問題は、もう解決されています。
使う単語:this problem / already / solved / has / been
▶︎ヒント
「もう~されている(完了形の“~される”)」→ has been + 過去分詞
▶︎解答
This problem has already been solved.
(6) 2年前、この建物は地元の会社によってデザインされました。
使う単語:was / the local company / two years ago / by / designed / the building / this
▶︎ヒント
「~されました」→ was + 過去分詞
行為者を示すときは “by ~”
▶︎解答
This building was designed by the local company two years ago.
(7) この車は今修理中です。(=修理されている最中)
使う単語:the car / fixed / now / is / being
▶︎ヒント
「~されている最中」→ is being + 過去分詞
▶︎解答
The car is being fixed now.
(8) その秘密の情報は外部には共有されません。
使う単語:not / shared / is / that secret information / externally
▶︎ヒント
「~されない」→ is + not + 過去分詞
▶︎解答
That secret information is not shared externally.
(9) 木曜日には結果が発表される予定です。
使う単語:on Thursday / announced / the results / be / will
▶︎ヒント
未来 → will be + 過去分詞
▶︎解答
The results will be announced on Thursday.
(10) これらの部屋は毎日掃除されます。
使う単語:cleaned / rooms / every day / are / these
▶︎ヒント
「習慣的に~される」→ are + 過去分詞(現在形の“~される”)
▶︎解答
These rooms are cleaned every day.
9. まとめ
- 受動態は「be + 過去分詞 (by + 行為者)」
- ドア①(主語)に、能動態では目的語だったものが来る
- 行為者(by…) は必要なければ省略OK
- 時制によって、be の形が am/is/are, was/were, will be, have been, … に変わる
- 「誰が~したか」を強調したいときは能動態、「~されるモノ(人)」が大事なら受動態
このように、“主役にしたいもの”を文頭に置くのが受動態のポイントです。「誰が行ったか」より「何がされたか」が大事な場合に活用してみてください!